名にし負へば長月ごとに君がため
垣根の菊はにほへとぞ思ふ
- 歌の意味
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長月という「長」の名を負っているので、九月が来るたびに、あなたのために、垣根の菊は美しく咲き匂えと思う。
- 鑑賞
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巻第七 秋歌下 398
詞書「題しらず」
長月という「長」の名を負っているのだから、九月が来るたびに、あなたの長寿のために垣根の菊は美しく咲けと思うと詠んだ歌である。長月の名と長寿を願う菊を結びつけ、相手の長寿を祝っている。
前歌に続いて菊を詠み、前歌の「長月ごとに」を受けて、その名を長寿の願いへと結びつけている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。原文の作者表記は「よみ人も」とあるが、ここでは「よみ人しらず」として扱う。
初句「名にし負へば」の「し」は強めの副助詞で、名として持っているので、の意である。長月の「長」の名を指している。
二句「長月ごとに」は、九月が来るたびに、の意で、前歌の二句と同じ言葉である。
三句「君がため」は、あなたのために、の意である。
四句「垣根の菊は」は、垣根に咲く菊は、の意である。
結句「にほへとぞ思ふ」の「にほふ」は美しく咲き映える意で、美しく咲けと思う、の意である。係助詞「ぞ」と連体形「思ふ」が係り結びをなしている。
なにしおふ:名として持つ、その名にふさわしい
にほふ:美しく咲き映える、色が照り映える
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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菊の花長月ごとに咲き来れば 久しき心秋や知るらむ
- 次の歌
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古里を別れて咲ける菊の花 旅ながらこそにほふべらなれ