山風の吹きのまにまに紅葉葉は
このもかのもに散りぬべらなり
- 歌の意味
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山風の吹くままに、紅葉はあちらこちらに散ってしまいそうだ。
- 鑑賞
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巻第七 秋歌下 406
詞書「題しらず」
山風の吹くのにまかせて、紅葉はあちらこちらに散ってしまいそうだと詠んだ歌である。風のままに四方へ散り乱れる紅葉を惜しむ心を表している。
「このもかのも」は、古今和歌集の東歌「筑波嶺のこのもかのもに陰はあれど」にも見える古い言い回しである。前歌が紅葉の散る姿を見に行こうと誘ったのを受け、本歌は風に散る紅葉を詠んでいる。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「山風の」は、山から吹く風が、の意である。
二句「吹きのまにまに」の「まにまに」は、〜にまかせて、〜のままに、の意で、吹くのにまかせて、の意である。
三句「紅葉葉は」は、紅葉した木の葉は、の意である。
四句「このもかのもに」は、こちらの面にもあちらの面にも、あちらこちらに、の意である。
結句「散りぬべらなり」の「べらなり」は推量を表す語で、散ってしまいそうだ、の意である。本巻の第三百九十二首も同じ結句で、紅葉の散るさまを詠んでいる。
このもかのも:こちらの面とあちらの面、あちらこちら
べらなり:平安時代初期に用いられた推量の語、〜ようだ
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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うち群れていざ我妹子が鏡山 越えて紅葉の散らん影見む
- 次の歌
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秋の夜に雨と聞こえて降りつるは 風に乱るる紅葉なりけり