竜田川秋は水なくあせななん
飽かぬ紅葉の流るれば惜し
- 歌の意味
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竜田川は、秋には水がなくなって干上がってほしい。見飽きない紅葉が流れてしまうのが惜しいので。
- 鑑賞
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巻第七 秋歌下 416
詞書「題しらず」
竜田川は、秋には水がなくなって干上がってほしい、いくら見ても見飽きない紅葉が流れていってしまうのが惜しいからと詠んだ歌である。紅葉を惜しむあまり、川の水がなくなればよいと願う大胆な発想の歌である。
前の歌までが川を流れる紅葉を美しいものとして眺めたのに対し、本歌は紅葉が流れ去ることを惜しんでいる。竜田川を詠む歌の締めくくりである。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「竜田川」は、竜田山のふもとを流れる川で、本巻の第四百十三首、第四百十四首と同じ初句である。
二句「秋は水なく」は、秋には水がなくなって、の意である。
三句「あせななん」の「あす」は、水がかれて浅くなる意で、「ななん」は、〜てしまってほしい、の意である。干上がってしまってほしい、の意で、ここで句切れとなる。
四句「飽かぬ紅葉の」は、見飽きない紅葉が、の意である。
結句「流るれば惜し」は、流れるので惜しい、の意で、三句と倒置の関係にあり、願いの理由を後から示している。
あす:水がかれて浅くなる、干上がる
あく:満ち足りる、飽きる
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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紅葉葉の流るる秋は川ごとに 錦洗ふと人や見るらむ
- 次の歌
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浪分けて見るよしもがなわたつみの 底のみるめも紅葉散るやと