秋の月光さやけみ紅葉葉の
落つる影さへ見えわたるかな
- 歌の意味
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秋の月の光が明るく澄んでいるので、紅葉が落ちる姿までも、一面に見えることだ。
- 鑑賞
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巻第七 秋歌下 434
詞書「延喜御時、秋歌召しありければ奉りける」
秋の月の光が明るく澄んでいるので、紅葉が散り落ちる姿までもはっきりと見渡せると詠んだ歌である。月光に照らされて舞い落ちる紅葉の美しさをとらえている。
詞書によれば、醍醐天皇の延喜の時代に、帝が秋の歌を求めたので献上したものである。本巻の第四百二十八首が、秋の月の明るさを散る紅葉を夜も見よということかと詠んだのと呼応し、本歌は実際に月光の中に散る紅葉を見ている。
作者の「つらゆき」は紀貫之である。紀望行の子で、古今和歌集の撰者の中心となり、仮名序を書いた。土佐守などを務め、土佐日記の作者としても知られる。三十六歌仙の一人である。
初句「秋の月」は、秋の月の、の意である。
二句「光さやけみ」は、光が明るく澄んでいるので、の意のミ語法である。
三句「紅葉葉の」は、紅葉した木の葉の、の意である。
四句「落つる影さへ」の「影」は姿の意で、「さへ」は、までも、の意である。落ちる姿までも、の意である。
結句「見えわたるかな」の「見えわたる」は、一面に見える意で、「かな」は詠嘆の終助詞である。
さやけし:明るく澄んでいる、くっきりしている
みえわたる:一面に見える、見渡す限りそう見える
- 作者
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紀貫之
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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雫もて齢延ぶてふ花なれば 千代の秋にぞ影は繁らん
- 次の歌
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秋ごとに列を離れぬ雁がねは 春帰るとも帰らざらなん