吹く風にまかする舟や秋の夜の
月の上より今日は漕ぐらん
- 歌の意味
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吹く風にまかせて進む舟は、秋の夜の月の上を、今日は漕いでいるのだろうか。
- 鑑賞
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巻第七 秋歌下 437
詞書「題しらず」
吹く風にまかせて進む舟は、今夜は水面に映る秋の夜の月の上を漕いでいるのだろうかと詠んだ歌である。水に映る月を本物の月と見なし、その上を漕ぐ舟を幻想的にとらえている。
巻第六の第三百二十一首、小野美材の「秋の池の月の上に漕ぐ舟なれば」も、水に映る月の上を漕ぐ舟を詠んでいる。本巻の第四百三十四首の明るい秋の月に続き、月を詠む歌である。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。原文の作者表記は「よみ人も」とあるが、ここでは「よみ人しらず」として扱う。
初句「吹く風に」は、吹く風に、の意である。
二句「まかする舟や」は、まかせて進む舟は、の意で、「や」は疑問の係助詞である。
三句「秋の夜の」は、秋の夜の、の意である。
四句「月の上より」の「より」は経由を表し、水面に映る月の上を通って、の意である。
結句「今日は漕ぐらん」の「らん」は現在推量の助動詞で、二句の「や」と係り結びをなし、今日は漕いでいるのだろうか、の意である。
まかす:ゆだねる、まかせる
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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皆人に折られにけりと菊の花 君がためにぞ露は置きける
- 次の歌
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紅葉葉は散る木のもとにとまりけり 過ぎゆく秋やいづちなるらむ