紅葉葉は散る木のもとにとまりけり
過ぎゆく秋やいづちなるらむ
- 歌の意味
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紅葉は散った木の下にとどまっている。過ぎ去っていく秋は、どこへ行くのだろうか。
- 鑑賞
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巻第七 秋歌下 438
詞書「紅葉の散り積もれる木のもとにて」
紅葉は散っても木の下にとどまっているが、過ぎ去っていく秋はどこへ行くのだろうかと詠んだ歌である。目に見える紅葉の行方と、目に見えない秋の行方を対比させ、去りゆく秋を惜しんでいる。
詞書によれば、紅葉の散り積もった木の下で詠んだものである。本巻の第四百九首が木の下に積もる紅葉を錦と見たのに対し、本歌は積もる紅葉に秋の行方を問いかけている。本歌から、秋の終わりを惜しむ歌が続いていく。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。原文の作者表記は「よみ人も」とあるが、ここでは「よみ人しらず」として扱う。
初句「紅葉葉は」は、紅葉は、の意である。
二句「散る木のもとに」は、散った木の下に、の意である。本巻の第四百九首の初句「木のもとに」と同じ言葉を用いている。
三句「とまりけり」は、とどまっていることだ、の意で、ここで句切れとなる。
四句「過ぎゆく秋や」は、過ぎ去っていく秋は、の意で、「や」は疑問の係助詞である。三句の「とまり」と四句の「過ぎゆく」が対比されている。
結句「いづちなるらむ」の「いづち」は、どちらの方、の意で、四句の「や」と連体形「らむ」が係り結びをなし、どこへ行くのだろうか、の意である。
いづち:どちらの方、どこ
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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吹く風にまかする舟や秋の夜の 月の上より今日は漕ぐらん
- 次の歌
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思ひ出でて問ふにはあらじ秋果つる 色の限りを見するなるらん