ちはやぶる神垣山の榊葉は
時雨に色も変はらざりけり
- 歌の意味
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神垣山の榊の葉は、時雨に降られても、色も変わらないことだ。
- 鑑賞
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巻第八 冬歌 457
詞書「題しらず」
神垣山の榊の葉は、時雨に降られても色が変わらないと詠んだ歌である。ほかの木々が時雨に染められて色を変えるなかで、神に供える常緑の榊は変わらないことを示し、神の威徳をたたえている。
これまでの歌が時雨によって木の葉が色を変えるさまを詠んできたのに対し、本歌は時雨にも色を変えない榊を詠んでおり、色の変化と不変が対をなしている。本巻の第四百七十五首も、年を経ても色の変わらない松を詠んでいる。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。原文の作者表記は「よみ人も」とあるが、ここでは「よみ人しらず」として扱う。
初句「ちはやぶる」は、「神」にかかる枕詞である。
二句「神垣山の」は、神社の垣をめぐらした山、神域の山、の意である。
三句「榊葉は」は、神事に用いる常緑の榊の葉は、の意である。
四句「時雨に色も」は、時雨によっても色も、の意で、時雨が木の葉を染めるという考え方を前提としている。
結句「変はらざりけり」の「けり」は詠嘆の助動詞で、変わらないことだ、の意である。本巻の第四百七十五首の二句「色も変はらぬ」と同じ趣向である。
かみがき:神社の周囲にめぐらした垣、神域
さかき:神事に用いる常緑の木
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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神無月限りとや思ふ紅葉葉の やむ時もなく夜さへに降る
- 次の歌
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人住まず荒れたる宿を来て見れば 今ぞ木の葉は錦織りける