身をわけて霜や置くらん
あだ人の言の葉さへにかれもゆくかな
- 歌の意味
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霜は身を分けて置いているのだろうか。不実な人の言葉までもが、草木のように枯れていくことだ。
- 鑑賞
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巻第八 冬歌 462
詞書「題しらず」
霜は身を分けてあちこちに置いているのだろうか、不実な人の言葉までもが草木のように枯れていくと詠んだ歌である。霜が草木を枯らすことに託して、相手の言葉が冷たくなり、心が離れていくことを嘆いている。
本巻の第四百四十八首や第四百五十首と同じく、木の葉を言葉に重ねて相手の心変わりを詠んでいる。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「身をわけて」は、霜が自分の身を分けて、の意で、霜を人のように見なしている。
二句「霜や置くらん」の「や」は疑問の係助詞で、連体形「らん」と係り結びをなし、霜が置いているのだろうか、の意である。ここで句切れとなる。
三句「あだ人の」は、浮気で不実な人の、の意である。
四句「言の葉さへに」の「さへに」は、までもが、の意で、「言の葉」の「葉」が「霜」や「かれ」の縁語となっている。本巻の第四百五十首の四句と同じ句である。
結句「かれもゆくかな」の「かれ」は、草木が「枯れ」と、相手の心が「離れ」を掛けた掛詞で、「かな」は詠嘆の終助詞である。
あだびと:浮気で誠意のない人
ことのは:言葉、和歌
かる:草木が「枯る」意と、人の心が「離る」意を掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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神無月時雨降るにも暮るる日を 君待つほどは長しとぞ思ふ
- 次の歌
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人知れず君につけてしわが袖の 今朝しもとけず凍るなるべし