神無月しぐるる時ぞみ吉野の
山のみ雪も降り始めける
- 歌の意味
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十月、都に時雨が降る時にこそ、吉野の山の雪も降り始めたのであった。
- 鑑賞
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巻第八 冬歌 465
詞書「題しらず」
十月、都に時雨が降る時にこそ、吉野の山では雪も降り始めたのであったと詠んだ歌である。都の時雨と、遠い吉野山の雪とを結びつけ、冬の深まりを思いやっている。
本巻の巻頭の第四百四十三首が初時雨から山の紅葉を思いやったのに対し、本歌は時雨から吉野の山の雪を思いやっており、同じ発想で紅葉から雪へと移っている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「神無月」は、陰暦十月の異称で、本巻でたびたび置かれる語である。
二句「しぐるる時ぞ」の「しぐる」は時雨が降る意の動詞で、「ぞ」は強めの係助詞である。
三句「み吉野の」の「み」は美称の接頭語で、大和の吉野をいい、雪の名所として知られた歌枕である。
四句「山のみ雪も」の「み雪」も「み」を添えた美称で、雪のことである。
結句「降り始めける」は、二句の「ぞ」を受けて連体形「ける」で結ぶ係り結びで、降り始めたのであった、の意である。
しぐる:時雨が降る
みよしの:大和の吉野の美称、雪や桜の名所として知られる歌枕
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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かきくらし霰降りしけ白玉を 敷ける庭とも人の見るべく
- 次の歌
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今朝の嵐寒くもあるかなあしひきの 山かきくもり雪ぞ降るらし