黒髪の色ふりかふる白雪の
待ち出づる友はうとくぞありける
- 歌の意味
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黒髪の色を、降りかかって白く変えてしまう白雪が待ち受けて迎える友は、こちらにとっては疎ましいものであったのだ。
- 鑑賞
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巻第八 冬歌 472
詞書「返し」
黒髪の色を降りかかって白く変えてしまう白雪が待ち受けて迎える友は、疎ましいものであったと詠んだ歌である。前歌の「友待つ雪」を受けて、その友とはさらに増える白髪のことであり、歓迎できるものではないと答えている。
前歌の紀貫之の歌への返歌である。貫之の「友待つ雪」「黒髪」を受けて、「待ち出づる友」「黒髪の色」と返している。
作者の「兼輔朝臣」は藤原兼輔である。藤原利基の子で、中納言に至り、賀茂川の堤に邸があったことから堤中納言と呼ばれた。紀貫之らの歌人を庇護したことで知られ、紫式部の曾祖父にあたる。三十六歌仙の一人である。
なお本文の二句は「色ふりかふる」とあり、読み仮名の行の「いろふりかはる」と一致しない。ここでは本文の表記に従う。
初句「黒髪の」は、黒髪の、の意で、前歌の四句「わが黒髪の」を受けている。
二句「色ふりかふる」の「ふり」は、雪が「降り」と、年を経て「古り」を掛けた掛詞で、降りかかって黒髪の色を変える、の意である。
三句「白雪の」は、白雪が、の意で、白髪をたとえている。
四句「待ち出づる友は」は、待ち受けて迎える友は、の意で、前歌の「友待つ雪」を受けている。
結句「うとくぞありける」は、疎ましいものであったのだ、の意で、係助詞「ぞ」と連体形「ける」が係り結びをなしている。
ふる:雪が「降る」意と、年を経て「古る」意を掛ける
まちいづ:待ち受けて迎える
- 作者
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藤原兼輔
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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降り初めて友待つ雪はむばたまの わが黒髪の変はるなりけり
- 次の歌
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黒髪と雪との仲の憂き見れば ともかがみをもつらしとぞ思ふ