黒髪と雪との仲の憂き見れば
ともかがみをもつらしとぞ思ふ
- 歌の意味
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黒髪と雪との仲のつらさを見ると、友の髪も、それを映す鏡も、恨めしいものと思うことだ。
- 鑑賞
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巻第八 冬歌 473
詞書「又」
黒髪と雪との仲のつらさを見ると、友の髪も鏡も恨めしく思うと詠んだ歌である。黒髪が雪のような白髪に変わっていくつらさを、黒髪と雪の不仲にたとえて表している。
詞書によれば、前歌の藤原兼輔の返歌を受けて、紀貫之が再び送った歌である。次歌は兼輔の返歌で、第四百七十一首から続く雪と白髪の贈答の三首目にあたる。
作者の「つらゆき」は紀貫之である。古今和歌集の撰者の一人で、土佐守などを務めた。『土佐日記』の作者としても知られ、三十六歌仙の一人である。
初句「黒髪と」は、黒髪と、の意で、第四百七十一首からの贈答に共通する語である。
二句「雪との仲の」は、雪との間柄の、の意で、黒髪と白髪とを人の仲にたとえている。
三句「憂き見れば」は、つらいさまを見ると、の意である。
四句「ともかがみをも」の「ともかがみ」は、「友が髪」と「鏡」を掛けたものと解され、友の髪も、白髪を映す鏡も、の意である。
結句「つらしとぞ思ふ」は、恨めしいと思う、の意で、係助詞「ぞ」と連体形「思ふ」が係り結びをなしている。
かがみ:「友が髪」の「が髪」と、白髪を映す「鏡」を掛ける
- 作者
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紀貫之
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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黒髪の色ふりかふる白雪の 待ち出づる友はうとくぞありける
- 次の歌
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年ごとに白髪の数をますかがみ 見るにぞ雪の友は知りける