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年ごとに白髪の数をますかがみ
見るにぞ雪の友は知りける

歌の意味
年ごとに白髪の数が増していくのを澄んだ鏡で見るにつけて、雪の友とは白髪のことだと知ったのだ。
鑑賞
巻第八 冬歌 474

詞書「返し」
 年ごとに白髪の数が増していくのを澄んだ鏡で見るにつけて、雪の友とは白髪のことだと知ったと詠んだ歌である。前歌で貫之が鏡を恨めしいと詠んだのを受け、その鏡によって白髪が増すことを知ったと答えている。
 前歌の紀貫之の歌への返歌で、第四百七十一首から続く雪と白髪の贈答を締めくくっている。貫之の「ともかがみ」を受けて「ますかがみ」と返し、第四百七十一首の「友待つ雪」の「友」を受けて、雪の友を白髪と言い定めている。
 作者の「兼輔朝臣」は藤原兼輔である。藤原利基の子で、中納言に至り、堤中納言と呼ばれた。紀貫之らの歌人を庇護したことで知られ、三十六歌仙の一人である。

 初句「年ごとに」は、年ごとに、毎年、の意である。
 二句「白髪の数を」は、白髪の数を、の意である。
 三句「ますかがみ」は、白髪の数が「増す」と、よく澄んだ鏡の「真澄鏡」を掛けた掛詞である。前歌の「ともかがみ」を受けている。
 四句「見るにぞ雪の」は、見るにつけて雪の、の意で、係助詞「ぞ」は結句の連体形「ける」と係り結びをなしている。
 結句「友は知りける」は、友とは何かを知ったのだ、の意で、第四百七十一首の「友待つ雪」の友が白髪であることを示している。

ますかがみ:白髪の数が「増す」意と、よく澄んだ鏡の「真澄鏡」を掛ける
作者
藤原兼輔
出典
後撰和歌集
前の歌
黒髪と雪との仲の憂き見れば ともかがみをもつらしとぞ思ふ
次の歌
年経れど色も変はらぬ松が枝に かかれる雪を花とこそ見れ