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白雲の下りゐる山と見えつるは
降り積む雪の消えぬなりけり

歌の意味
白雲が降りて留まっている山だと見えたのは、降り積もった雪が消えずに残っているのであったのだ。
鑑賞
巻第八 冬歌 484

詞書「題しらず」
 白雲が降りて留まっている山だと見えたのは、降り積もった雪が消えずに残っているのであったと詠んだ歌である。山に積もった雪を白雲に見まがう見立てによって、雪の白さと深さを表している。
 前々歌の白山と同じく、山に積もって消えない雪を詠んでいる。本巻ではこのあとも雪を花や月に見立てる歌が続いている。
 作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
 なお本文の四句は「降り積む雪の」とあり、読み仮名の行の「ふりつるゆきの」と一致しない。ここでは本文の表記に従う。

 初句「白雲の」は、白い雲が、の意である。
 二句「下りゐる山と」は、降りて留まっている山だと、の意である。
 三句「見えつるは」は、見えたのは、の意である。
 四句「降り積む雪の」は、降り積もる雪が、の意で、前々歌の四句と同じ句である。
 結句「消えぬなりけり」の「なりけり」は気づきを表し、消えずに残っているのであったのだ、の意である。

おりゐる:降りて留まる
作者
よみ人しらず
出典
後撰和歌集
前の歌
まこも刈る堀江に浮きてぬる鴨の 今宵の霜にいかにわぶらん
次の歌
ふるさとの雪は花とぞ降り積もる ながむる我も思ひ消えつつ