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流れゆく水凍りぬる冬さへや
なほうき草の跡はとどめぬ

歌の意味
流れていく水も凍ってしまう冬でさえも、やはり浮草は跡をとどめないのだろうか。そのように、あの人の心は定まらないままだ。
鑑賞
巻第八 冬歌 486

詞書「題しらず」
 流れていく水も凍ってしまう冬でさえも、やはり浮草は跡をとどめないのだろうか、と詠んだ歌である。水が凍れば浮草もとどまるはずなのに、なおも跡を残さない浮草に、定まらない相手の心や、つらい身の上を重ねている。
 冬の景物に託して、恋の嘆きを詠んだ歌である。本巻の第四百六十首や第四百九十首と同じく、冬の水辺の景を恋の思いに重ねている。
 作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。

 初句「流れゆく」は、流れていく、の意である。
 二句「水凍りぬる」は、水も凍ってしまう、の意である。
 三句「冬さへや」の「さへ」は、までも、の意で、「や」は疑問の係助詞である。
 四句「なほうき草の」の「うき」は、水に「浮き」と、つらい意の「憂き」を掛けた掛詞である。
 結句「跡はとどめぬ」は、跡をとどめないのだろうか、の意で、三句の「や」を受けて連体形「ぬ」で結ぶ係り結びとなっている。

うきくさ:水に「浮き」の意と、つらい意の「憂き」を掛ける
作者
よみ人しらず
出典
後撰和歌集
前の歌
ふるさとの雪は花とぞ降り積もる ながむる我も思ひ消えつつ
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心あてに見ばこそ分かめ白雪の いづれか花の散るにたがへる