天の川冬は氷に閉ぢたれや
石間にたぎつ音だにもせぬ
- 歌の意味
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天の川は、冬は氷に閉ざされているからだろうか。石の間を激しく流れる水音さえもしない。
- 鑑賞
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巻第八 冬歌 488
詞書「題しらず」
天の川は冬は氷に閉ざされているからだろうか、石の間を激しく流れる水音さえもしない、と詠んだ歌である。地上の川と同じく天の川も冬は凍るものと見なし、その静けさを表している。
本巻の第四百七十七首が吉野の滝つ瀬の音が聞こえないことから氷を推し量ったのと同じ趣向を、天の川に移して詠んでいる。七夕で知られる天の川を冬の景として詠んでいる点に、この歌の新しさがある。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「天の川」は、夜空の天の川をいい、七夕の伝説で知られている。
二句「冬は氷に」は、冬は氷に、の意である。
三句「閉ぢたれや」の「や」は疑問の係助詞で、閉ざされているからだろうか、の意である。已然形に「や」を付けて理由を問う形である。
四句「石間にたぎつ」は、石の間を激しく流れる、の意である。
結句「音だにもせぬ」の「だに」は、さえ、の意で、音さえもしない、の意である。三句の「や」を受けて連体形「ぬ」で結んでいる。
たぎつ:水が激しく流れる、わき立つ
いしま:石と石の間
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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心あてに見ばこそ分かめ白雪の いづれか花の散るにたがへる
- 次の歌
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おしなべて雪の降れれば我が宿の 杉を尋ねて訪ふ人もなし