おしなべて雪の降れれば我が宿の
杉を尋ねて訪ふ人もなし
- 歌の意味
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一面に雪が降っているので、わが家の目印の杉を探し当てて、訪ねてくる人もいない。
- 鑑賞
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巻第八 冬歌 489
詞書「題しらず」
一面に雪が降っているので、わが家の目印の杉を探し当てて訪ねてくる人もいない、と詠んだ歌である。雪にすべてが覆われ、目印の杉も見分けがつかなくなったために、人の訪れが絶えたさびしさを表している。
古今和歌集の「わが庵は三輪の山もと恋しくはとぶらひ来ませ杉立てる門」を踏まえ、杉を家の目印としている。本巻の第四百六十八首と同じく、人の訪れのない冬のさびしさを詠んでいる。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「おしなべて」は、一様に、一面に、の意である。
二句「雪の降れれば」は、雪が降っているので、の意で、「れ」は存続の助動詞「り」の已然形である。
三句「我が宿の」は、わが家の、の意である。
四句「杉を尋ねて」は、目印の杉を探し求めて、の意で、古今和歌集の三輪の杉の歌を踏まえている。
結句「訪ふ人もなし」は、訪ねてくる人もいない、の意である。本巻の第四百六十八首の結句「訪ふ人ぞなき」と同じ趣向である。
おしなぶ:一様に覆う、すべて同じようにする
とふ:訪ねる、訪れる
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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天の川冬は氷に閉ぢたれや 石間にたぎつ音だにもせぬ
- 次の歌
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冬の池の水に流るるあし鴨の うき寝ながらにいく夜経ぬらん