冬の池の水に流るるあし鴨の
うき寝ながらにいく夜経ぬらん
- 歌の意味
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冬の池の水に流されている葦辺の鴨のように、浮き寝をしたまま、つらい独り寝で幾夜を過ごしたことだろうか。
- 鑑賞
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巻第八 冬歌 490
詞書「題しらず」
冬の池の水に流されている葦辺の鴨のように、浮き寝をしたまま幾夜を過ごしたことだろうか、と詠んだ歌である。水に浮いて眠る鴨の姿に、落ち着かずつらい独り寝を重ねている。
本巻の第四百六十首と同じく初句に「冬の池の」を置き、鴨を詠んでいる。第四百六十首が霜に託して物思いを詠んだのに対し、本歌は浮き寝に託して独り寝のつらさを詠んでいる。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「冬の池の」は字余りで、本巻の第四百六十首の初句と同じ句である。
二句「水に流るる」は、水に流されている、の意である。
三句「あし鴨の」は、葦の生える水辺にいる鴨の、の意で、初句から三句までが四句の「うき寝」を導く序詞となっている。
四句「うき寝ながらに」の「うき」は、水に「浮き」と、つらい意の「憂き」を掛けた掛詞である。
結句「いく夜経ぬらん」の「らん」は現在推量の助動詞で、幾夜を過ごしたことだろうか、の意である。
あしがも:葦の生える水辺にいる鴨
うきね:水に「浮き寝」の意と、つらい意の「憂き寝」を掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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おしなべて雪の降れれば我が宿の 杉を尋ねて訪ふ人もなし
- 次の歌
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山近み珍しげなく降る雪の 白くやならん年積もりなば