冬の池に住むにほ鳥のつれもなく
下に通はん人に知らすな
- 歌の意味
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冬の池に住むかいつぶりが連れもなく水の下をくぐって通うように、素知らぬふりをして、ひそかに心を通わそう。人に知らせるな。
- 鑑賞
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巻第八 冬歌 502
詞書「題しらず」
冬の池に住むかいつぶりが水の下をくぐって通うように、表向きは素知らぬふりをしてひそかに心を通わそう、人に知らせるな、と詠んだ歌である。水にもぐって水中を行くかいつぶりの習性に託して、人目を忍ぶ恋を表している。
本巻の第四百六十首や第四百九十首と同じく初句に「冬の池」を置き、冬の水鳥に恋の思いを重ねている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「冬の池に」は字余りで、冬の池に、の意である。本巻の第四百六十首と第四百九十首も初句に「冬の池」を置いている。
二句「住むにほ鳥の」の「にほ鳥」は、水にもぐるのが巧みな水鳥、かいつぶりのことである。初句から二句までが、三句と四句を導く序詞となっている。
三句「つれもなく」は、連れもない、の意と、素知らぬふりをする意の「つれなく」を掛けた掛詞である。
四句「下に通はん」は、水の下をくぐって通う意と、心の内でひそかに通い合う意を重ねている。
結句「人に知らすな」の「な」は禁止の終助詞で、人に知らせるな、の意である。
にほどり:かいつぶり、水にもぐるのが巧みな水鳥
つれなし:連れがない意と、素知らぬふりをする意の「つれなし」を掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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春近く降る白雪は小倉山 峰にぞ花の盛りなりける
- 次の歌
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むばたまの夜のみ降れる白雪は 照る月影の積もるなりけり