人ごとはまことなりけり下紐の
解けぬにしるき心と思へば
- 歌の意味
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人のうわさは本当であったよ。下紐が解けないことにはっきりとあらわれている、あなたの心だと思うと。
- 鑑賞
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巻第九 恋歌一 523
詞書「女のもとにつかはしける」
人のうわさは本当だった、下紐が解けないことで、あなたが私を思っていない心がはっきりわかると詠んだ歌である。恋しく思われると下紐が自然に解けるという俗信をもとに、相手の冷たさを責めている。
詞書によれば、女のもとへ送った歌である。次歌も下紐の解けないことを詠んでおり、同じ俗信による二首が並んでいる。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「人ごとは」は、人のうわさは、の意である。
二句「まことなりけり」は、本当であったよ、の意で、ここで句切れとなる。
三句「下紐の」は、下袴や下着の紐の、の意で、次歌の二句「わが下紐の」と同じ語を用いている。
四句「解けぬにしるき」は、解けないことにはっきりあらわれる、の意で、恋しく思われると下紐が解けるという俗信をふまえている。次歌の四句「解けぬは」と対応している。
結句「心と思へば」は、心だと思うと、の意で、二句の理由を倒置して示している。
ひとごと:人のうわさ
したひも:下袴や下着の紐、人に恋しく思われると自然に解けるとされた
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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いつしかとわがまつ山に今はとて 越ゆなる浪に濡るる袖かな
- 次の歌
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結びおきしわが下紐の今までに 解けぬは人の恋ひぬなりけり