志賀の海人の釣りにともせる漁り火の
ほのかに妹を見るよしもがな
- 歌の意味
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志賀の海人が釣りのためにともしている漁り火のように、ほのかにでもいとしい人を見る手立てがあればよいのに。
- 鑑賞
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巻第十二 恋歌二 752
詞書は前の歌に続き「題しらず」
志賀の海人が釣りにともす漁り火のように、せめてほのかにでもいとしい人を見るすべがあればよいと詠む歌である。闇の海にかすかに見える漁り火に、わずかでも恋しい人の姿を見たいという願いを重ねている。万葉集にも、志賀の海人の漁り火を詠む類歌が見える。第七百三十二首、第七百三十三首と同じく、「ほのかに」見ることを詠んでいる。
初句「志賀の海人の」は、筑前国の志賀の海人の、の意で、六音の字余りの句である。
二句「釣りにともせる」は、釣りのためにともしている、の意で、「る」は存続の助動詞「り」の連体形である。
三句「漁り火の」は、漁り火のように、の意で、ここまでが四句の「ほのかに」を導く序詞である。
四句「ほのかに妹を」は、ほのかにいとしい人を、の意で、本巻の第七百三十二首の四句「ほのかに見てぞ」、第七百三十三首の四句「ほのかに見えし」と同じ語を用いている。
結句「見るよしもがな」は、見る手立てがあればよいのに、の意で、「もがな」は願望を表す終助詞である。
あま:海人。漁をする人
いさりび:漁り火。夜、魚を集めるために船でたく火
いも:妹。男性から恋しい女性を呼ぶ語
よし:由。手立て
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
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風寒み声弱りゆく虫よりも 言はで物思ふ我ぞまされる
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恋するは苦しきものと知らすべく 人を我が身にしばしなさばや