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よそながら止まんともせず逢ふことは
今こそ雲の絶え間なるらめ

歌の意味
よそよそしいまま終わらせようとも思わない。逢うことは、今こそ雲の切れ間のように、その折があるのだろう。
鑑賞
巻第九 恋歌一 535

詞書「返し」
 よそよそしいまま終わらせるつもりはない、逢うことは今こそ雲の切れ間のように折があるだろう、と詠んだ歌である。前歌の雲のたとえを受け、逢う機会が今にも訪れると相手に期待を持たせている。
 前歌への返歌である。前歌の「雲居」「止みぬ」を受けて、「雲の絶え間」「止まん」と返している。
 作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。原文の作者表記は「よみ人も」とあるが、ここでは「よみ人しらず」として扱う。

 初句「よそながら」は、離れたまま、よそよそしいまま、の意である。
 二句「止まんともせず」は、終わらせようともしない、の意で、前歌の結句「止みぬばかりか」を受けている。
 三句「逢ふことは」は、逢うことは、の意で、前歌の初句と同じ句である。
 四句「今こそ雲の」は、今こそ雲の、の意で、前歌の「雲居」を受けている。「こそ」は強めの係助詞である。
 結句「絶え間なるらめ」は、切れ間なのだろう、の意で、四句の「こそ」を受けて已然形「らめ」で結ぶ係り結びとなっている。次歌の三句と四句「白雲の絶え間は」がこれを受けている。

たえま:途切れている間、切れ間
作者
よみ人しらず
出典
後撰和歌集
前の歌
逢ふことはいとど雲居の大空に 立つ名のみして止みぬばかりか
次の歌
今のみと頼むなれども白雲の 絶え間はいつかあらんとすらん