かれ果つる花の心はつらからで
時過ぎにける身をぞ恨むる
- 歌の意味
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枯れ果てていく花のように離れていくあなたの心は恨めしくなく、盛りの時が過ぎてしまったわが身を恨むことだ。
- 鑑賞
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巻第九 恋歌一 540
詞書「女のもとにつかはしける」
枯れていく花のように離れていく相手の心は恨めしくなく、盛りの時が過ぎたわが身を恨む、と詠んだ歌である。相手の心変わりを責めず、自分の盛りが過ぎたことを嘆いている。
詞書によれば、女のもとへ送った歌である。次歌は女の返歌で、二首は贈答の一組となっている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。原文の作者表記は「よみ人も」とあるが、ここでは「よみ人しらず」として扱う。
初句「かれ果つる」の「かれ」は、花が「枯れ」と、心が「離れ」を掛けた掛詞である。
二句「花の心は」は、花のように移ろう相手の心は、の意である。次歌の結句「花の心を」がこれを受けている。
三句「つらからで」の「で」は打消しの接続助詞で、恨めしくなく、の意である。
四句「時過ぎにける」は、盛りの時が過ぎてしまった、の意である。
結句「身をぞ恨むる」は、わが身を恨む、の意で、係助詞「ぞ」と連体形「恨むる」が係り結びをなしている。本巻の第五百二十七首の結句「世をぞ恨むる」と同じ形である。
かる:花が「枯る」意と、心が「離る」意を掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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見初めずてあらましものを唐衣 たつ名のみして着る夜なきかな
- 次の歌
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あだにこそ散ると見るらめ君にみな うつろひにたる花の心を