君を思ふ深さくらべに津の国の
堀江見に行く我にやはあらぬ
- 歌の意味
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あなたを思う心の深さと比べようとして、摂津の国の堀江の深さを見に行く私ではないか。
- 鑑賞
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巻第九 恋歌一 554
詞書「返し」
あなたを思う心の深さと比べるために、摂津の国の堀江の深さを見に行く私ではないか、と詠んだ歌である。前歌で難波へ行く理由を問われたのに対し、思いの深さを堀江の深さと比べに行くのだと機知をもって答えている。
前歌の土佐の歌への返歌である。前歌の「難波の方へ」を受けて「津の国の堀江」と答えている。
作者の「定文」は平定文である。平好風の子で、平中とも呼ばれた。色好みとして知られ、『平中物語』の主人公とされる。
初句「君を思ふ」は字余りで、あなたを思う、の意である。
二句「深さくらべに」は、深さを比べるために、の意である。
三句「津の国の」は、摂津の国の、の意で、前歌の「難波」がある国である。
四句「堀江見に行く」は、難波の堀江を見に行く、の意で、堀江の深さを思いの深さと比べることをいっている。
結句「我にやはあらぬ」の「やは」は反語で、私ではないか、の意である。本巻の第五百五十一首の結句「花にやはあらぬ」と同じ形である。
ほりえ:地を掘って造った水路、ここでは難波の堀江
つのくに:摂津の国
- 作者
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平定文
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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浦わかずみるめ刈るてふ海人の身は 何かなにはの方へしも行く
- 次の歌
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いかでかく心ひとつをふたしへに 憂くもつらくもなして見すらん