身は早く奈良の都となりにしを
恋しきことのまだも古りぬか
- 歌の意味
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わが身はとうに、古びた奈良の都のようになってしまったのに、恋しく思う気持ちは、まだ古びないのだろうか。
- 鑑賞
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巻第九 恋歌一 560
詞書「題しらず」
わが身はとうに古都奈良のように古びてしまったのに、恋しい思いはまだ古びないのか、と詠んだ歌である。年老いてもなお衰えない恋心を、古びた奈良の都と対比させて嘆いている。
都が移って古びた奈良を老いた身にたとえ、身は古びても心は古びないという対比を示している。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。原文の作者表記は「よみ人も」とあるが、ここでは「よみ人しらず」として扱う。
初句「身は早く」は、わが身はとうに、の意である。
二句「奈良の都と」は、古い都となった奈良のように、の意で、古びたものの例としている。
三句「なりにしを」は、なってしまったのに、の意で、「を」は逆接の接続助詞である。
四句「恋しきことの」は、恋しく思う気持ちが、の意である。
結句「まだも古りぬか」は、まだ古びないのか、の意で、「古り」は二句の「奈良の都」の縁語である。
ふる:古くなる、年を経る
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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行きやらぬ夢路にまどふたもとには 天つ空なき露ぞ置きける
- 次の歌
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住吉の岸の白浪よるよるは 海人のよそ目に見るぞ悲しき