よそに降る雨とこそ聞けおぼつかな
何をか人のこひぢと言ふらん
- 歌の意味
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よそに降る雨だと聞いている。はっきりしないことだ。何をあなたは恋路のぬかるみと言うのだろうか。
- 鑑賞
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巻第九 恋歌一 568
詞書「返し」
雨はよそに降っていると聞いたのに、何をあなたは恋路のぬかるみと言うのだろうか、と詠んだ歌である。前歌の「こひぢ」を受け、自分のところには雨は降っていないとはぐらかして、男の言葉の真偽を問うている。
前歌への返歌である。前歌の「こひぢに濡るる」を受けて「こひぢと言ふらん」と返している。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。原文の作者表記は「よみ人も」とあるが、ここでは「よみ人しらず」として扱う。
初句「よそに降る」は、よそに降っている、の意である。
二句「雨とこそ聞け」は、雨だと聞いている、の意で、係助詞「こそ」と已然形「聞け」が係り結びをなしている。
三句「おぼつかな」は、はっきりしないことだ、の意で、ここで句切れとなる。
四句「何をか人の」は、何をあなたが、の意で、「か」は疑問の係助詞である。
結句「こひぢと言ふらん」の「こひぢ」は、「恋路」と「泥」を掛けた掛詞で、前歌の四句を受けている。四句の「か」を受けて連体形「らん」で結ぶ係り結びとなっている。
こひぢ:「恋路」の意と、ぬかるみの「泥」を掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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今ぞ知る飽かぬ別れの暁は 君をこひぢに濡るるものとは
- 次の歌
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絶え果つるものとは見つつささがにの 糸を頼める心細さよ