泣きたむる袂凍れる今朝見れば
心解けても君を思はず
- 歌の意味
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泣いてためた涙で袂が凍っている今朝の様子を見ると、心が打ち解けてあなたを思うこともない。
- 鑑賞
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巻第九 恋歌一 574
詞書「題しらず」
泣いてためた涙で袂が凍っている今朝を見ると、心を許してあなたを思うこともできない、と詠んだ歌である。涙が凍るほどの冷たい仕打ちを受けて、相手に打ち解ける気持ちになれないことを表している。
袂の氷と心が解けることを重ね、冬の景物に託して恋の恨みを詠んでいる。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。原文の作者表記は「よみ人も」とあるが、ここでは「よみ人しらず」として扱う。
初句「泣きたむる」は、泣いて涙をためた、の意である。
二句「袂凍れる」は、袂が凍っている、の意で、涙が凍ったことをいう。
三句「今朝見れば」は、今朝見ると、の意である。
四句「心解けても」は、心を許して、の意で、「解け」は二句の「凍れる」の縁語として、氷が解ける意を重ねている。
結句「君を思はず」は、あなたを思うこともない、の意である。
たもと:袖、袖の下の袋のようになった部分
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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別れをば悲しきものと聞きしかど うしろやすくも思ほゆるかな
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身を分けてあらまほしくぞ思ほゆる 人は苦しと言ひけるものを