つらからば同じ心につらからん
つれなき人を恋ひんともせず
- 歌の意味
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あなたが薄情ならば、私も同じ心で薄情にしよう。つれない人を恋しようとも思わない。
- 鑑賞
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巻第九 恋歌一 592
詞書「返し」
あなたが薄情なら私も同じように薄情にしよう、つれない人を恋するつもりはない、と詠んだ歌である。前歌でいずれ恋をするだろうと言われたのに対し、冷たい人を恋することなどないと突き放している。
前歌への返歌である。前歌の「君も恋する」を受けて「恋ひんともせず」と打ち消している。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。原文の作者表記は「よみ人も」とあるが、ここでは「よみ人しらず」として扱う。
初句「つらからば」は、あなたが薄情ならば、の意である。
二句「同じ心に」は、同じ心で、の意である。本巻の第五百九十四首の二句も「同じ心に」と置いている。
三句「つらからん」は、薄情にしよう、の意で、初句の「つらから」を重ねている。ここで句切れとなる。
四句「つれなき人を」は、冷淡な人を、の意である。
結句「恋ひんともせず」は、恋しようとも思わない、の意で、前歌の四句「君も恋する」を受けて打ち消している。
こふ:恋い慕う
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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人の上のこととし言へば知らぬかな 君も恋する折もこそあれ
- 次の歌
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人知れず思ふ心は大島の なるとはなしに嘆くころかな