ひとり寝のわびしきままに起きゐつつ
月をあはれと忌みぞかねつる
- 歌の意味
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独り寝のわびしさのままに起きていて、月をしみじみと眺め、あわれと思うことを慎みきれずにいることだ。
- 鑑賞
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巻第十 恋歌二 684
詞書「月をあはれといふは忌むなりといふ人のありければ」
独り寝のわびしさに起きていて、月をあわれと思うことを慎みきれない、と詠んだ歌である。月を見て感じ入るのは不吉だと言われても、独り寝のさびしさからつい月を眺めてしまう心を表している。
詞書によれば、月をあわれと言うのは忌むべきことだという人がいたので詠んだ歌である。月を見ることを忌む考えは、『竹取物語』にも見える。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「ひとり寝の」は、独り寝の、の意である。
二句「わびしきままに」は、わびしさのままに、の意である。
三句「起きゐつつ」は、起きていて、の意で、「つつ」は継続を表す。
四句「月をあはれと」は、月をしみじみと感じ入るものと、の意である。
結句「忌みぞかねつる」は、慎みきれずにいる、の意で、「ぞ」は強めの係助詞、連体形「つる」で結ぶ係り結びとなっている。
いむ:不吉として避ける、慎む
おきゐる:起きて座っている
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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我が袖は名に立つ末の松山か 空より浪の越えぬ日はなし
- 次の歌
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唐錦惜しき我が名はたち果てて いかにせよとか今はつれなき