人づてに言ふ言の葉の中よりぞ
思ひつくばの山は見えける
- 歌の意味
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人づてに聞く言葉の中からでも、あなたに思いを寄せ始めた、その筑波の山は見えたのだ。
- 鑑賞
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巻第十 恋歌二 686
詞書「初めて人につかはしける」
人づてに聞く言葉の中からでも、思いを寄せ始めた筑波の山が見えた、と詠んだ歌である。直接逢わず、人づての言葉だけで相手に心ひかれたことを、筑波の山が見えたと表している。
詞書によれば、初めてある人に送った歌である。本巻の第六百七十四首も「心つくばの山」と詠み、同じく「つくば」に掛けている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「人づてに」は、人を介して、の意である。
二句「言ふ言の葉の」は、伝えられる言葉の、の意である。
三句「中よりぞ」は、中からでも、の意で、「ぞ」は強めの係助詞である。
四句「思ひつくばの」の「つくば」は、思いが「付く」意と、常陸の国の歌枕である「筑波」を掛けた掛詞である。本巻の第六百七十四首の二句と同じ趣向である。
結句「山は見えける」は、山は見えたのだ、の意で、三句の「ぞ」を受けて連体形「ける」で結ぶ係り結びとなっている。
ひとづて:人を介して伝えること
つくば:思いが「付く」意と、常陸の国の「筑波」を掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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唐錦惜しき我が名はたち果てて いかにせよとか今はつれなき
- 次の歌
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たよりにもあらぬ思ひのあやしきは 心を人につくるなりけり