思はむと頼めし人は変はらじを
問はれぬ我やあらぬなるらん
- 歌の意味
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いつまでも思おうと私に頼みに思わせた人は、変わってはいないだろうに。訪ねてもらえない私のほうが、もとの私ではなくなってしまったのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌三 706
詞書「題しらず」
思い続けようと約束した人は変わっていないだろうに、訪れてもらえない私のほうが別人になったのだろうか、と詠んだ歌である。相手の心変わりを責めず、自分が変わったのかと問う形で、訪れの絶えた悲しみを訴えている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。なお本文の作者表記は「よみ人も」とあり、前歌に続いてよみ人しらずであることを示している。
初句「思はむと」は、思い続けようと、の意で、「む」は意志を表す。
二句「頼めし人は」は、頼みに思わせた人は、の意で、「頼む」は下二段活用で、あてにさせる意である。
三句「変はらじを」は、変わらないだろうに、の意で、「じ」は打消の推量、「を」は逆接を表す。
四句「問はれぬ我や」は、訪ねてもらえない私は、の意で、「や」は疑問の係助詞である。
結句「あらぬなるらん」は、別の人になってしまったのだろうか、の意で、四句の「や」を受けて連体形「らん」で結ぶ係り結びとなっている。
たのむ:あてにさせる、約束して期待させる
とふ:訪ねる、見舞う
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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宿かへて待つにも見えずなりぬれば つらき所の多くもあるかな
- 次の歌
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いたづらにたびたび死ぬと言ふめれば 逢ふには何をかへむとすらん