もろともに折るともなしにうちとけて
見えにけるかなあさがほの花
- 歌の意味
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一緒に花を折ったわけでもないのに、すっかりくつろいだ姿を見られてしまったことだ。朝顔の花のような、寝起きの顔を。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌三 716
詞書「朝顔の花前にありける曹司より、男の明けて出で侍りけるに」
一緒に折ったわけでもないのに、くつろいだ朝顔、つまり寝起きの顔を見られてしまった、と詠んだ歌である。前栽の朝顔の花に寄せて、明け方に帰る男に素顔を見られた恥じらいを述べている。
詞書によれば、朝顔の花が前に咲いている部屋から、男が夜明けに出ていったときに詠んだ歌である。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「もろともに」は、一緒に、の意である。
二句「折るともなしに」は、折るというわけでもないのに、の意で、花を一緒に手折ることをいう。
三句「うちとけて」は、花が開く意と、心を許してくつろぐ意を重ねている。
四句「見えにけるかな」は、見られてしまったことだ、の意で、「見ゆ」は見られる意である。「かな」は詠嘆の終助詞である。
結句「あさがほの花」は、花の朝顔と、寝起きの顔である朝の顔を掛ける掛詞で、体言止めとなっている。
ざうし:宮中や貴族の邸で女房などに与えられた部屋
あさがほ:花の朝顔の意と、朝の寝起きの顔の意を掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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空知らぬ雨にも濡るる我が身かな 三笠の山をよそに聞きつつ
- 次の歌
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ももしきは斧の柄朽たす山なれや 入りにし人のおとづれもせぬ