ももしきは斧の柄朽たす山なれや
入りにし人のおとづれもせぬ
- 歌の意味
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宮中は、斧の柄が朽ちるほど長い時が過ぎるという仙境の山なのだろうか。入っていったあの人が、少しも便りをよこさない。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌三 717
詞書「内に参りて久しう音せざりける男に、女」
宮中は斧の柄が朽ちるという山なのか、入ったきりの人から便りもない、と詠んだ歌である。宮中に参ったまま音沙汰のない男を、仙境に入って時を忘れた人になぞらえて恨んでいる。
詞書によれば、宮中に参ったまま長く便りをよこさない男に、女が送った歌である。斧の柄が朽ちるという表現は、山中で仙人の碁を見ているうちに斧の柄が朽ちるほど長い年月が過ぎていたという中国の故事による。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。詞書によれば女の歌である。
初句「ももしきは」は、宮中は、の意である。
二句「斧の柄朽たす」は、斧の柄を朽ちさせる、の意で、中国の故事を踏まえている。
三句「山なれや」は、山なのだろうか、の意で、「や」は疑問を表す。ここで句切れとなる。
四句「入りにし人の」は、入っていった人の、の意で、「入る」は山に入る意と宮中に入る意を重ねている。
結句「おとづれもせぬ」は、便りもよこさない、の意で、連体形で結んでいる。
ももしき:宮中、内裏
おとづる:便りをする、訪れる
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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もろともに折るともなしにうちとけて 見えにけるかなあさがほの花
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鈴鹿山伊勢をのあまの捨て衣 しほなれたりと人や見るらん