君を思ふ心を人にこゆるぎの
磯の玉藻や今も刈らまし
- 歌の意味
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あなたを思う心が人よりまさっていることを示すために、こゆるぎの磯の玉藻を、今すぐにでも刈り取ってみせようか。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌三 724
詞書「題しらず」
あなたを思う心が人に越えていることを示すため、こゆるぎの磯の玉藻を今にも刈ろうか、と詠んだ歌である。歌枕の名に「越ゆ」を掛け、誰よりも深い思いを、遠い磯の玉藻を刈るという行いで示そうとしている。
作者の「みつね」は凡河内躬恒である。古今和歌集の撰者の一人で、三十六歌仙の一人である。小倉百人一首には「心あてに折らばや折らむ初霜の」の歌が採られている。
初句「君を思ふ」は、あなたを思う、の意である。
二句「心を人に」は、その心が人に、の意である。
三句「こゆるぎの」は、相模の国の歌枕である小余綾の磯と、人よりまさる意の「越ゆる」を掛ける掛詞である。
四句「磯の玉藻や」は、磯に生える美しい藻を、の意で、「や」は疑問の係助詞である。
結句「今も刈らまし」は、今すぐにでも刈ろうか、の意で、「まし」はためらいを含む意志を表し、四句の「や」を受けて連体形で結んでいる。
こゆるぎ:相模の国の歌枕である小余綾の意と、まさる意の「越ゆる」を掛ける
たまも:美しい藻、藻の美称
- 作者
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凡河内躬恒
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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逢坂の木の下露に濡れしより 我が衣手は今もかわかず
- 次の歌
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なき名ぞと人には言ひてありぬべし 心の問はばいかが答へん