あひ見ても別るることのなかりせば
かつがつ物は思はざらまし
- 歌の意味
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逢ったとしても、その後に別れるということがなかったならば、少しは物思いをしないで済むだろうに。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌三 728
詞書「あひ語らひける人、これもかれもつつむこと有りて、離れぬべく侍りければ、つかはしける」
逢っても別れることがなかったなら、少しは物思いをせずに済むだろうに、と詠んだ歌である。逢えばまた別れなければならない恋のつらさを、反実仮想の形で嘆いている。
詞書によれば、親しく語らっていた相手と、互いにはばかることがあって離れなければならなくなったので送った歌である。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「あひ見ても」は、逢ったとしても、の意である。
二句「別るることの」は、別れるということが、の意である。
三句「なかりせば」は、なかったならば、の意で、結句の「まし」と呼応して反実仮想を表す。
四句「かつがつ物は」は、少しは物思いは、の意である。
結句「思はざらまし」は、しないで済むだろうに、の意で、三句の「せば」を受けている。
あひみる:男女が逢う、契りを結ぶ
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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逢ふことをいざほに出でなん篠すすき 忍びはつべきものならなくに
- 次の歌
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いつのまに恋しかるらん唐衣 濡れにし袖のひるまばかりに