貫き乱る涙の玉もとまるやと
玉の緒ばかり逢はむと言はなん
- 歌の意味
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緒が抜けて乱れ散る玉のようにこぼれる涙も止まるかと、玉の緒ほどの短い間だけでも、逢おうと言ってほしい。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌一 647
詞書は前の歌に続き「題しらず」
緒が抜けて乱れ散る玉のようにこぼれる涙も止まるかもしれないので、ほんの短い間でも逢おうと言ってほしいと詠む歌である。涙を緒から抜けて散る玉にたとえ、その玉をつなぐ「玉の緒」に、ほんのわずかの時間の意を重ねて、わずかでも逢いたいという願いを表している。
初句「貫き乱る」は、緒が抜けて玉が乱れ散る、の意である。
二句「涙の玉も」は、玉のような涙も、の意で、涙を緒から抜けた玉にたとえている。
三句「とまるやと」は、止まるかと、の意で、「や」は疑問を表す。
四句「玉の緒ばかり」は、玉の緒ほどの短い間だけ、の意で、「玉の緒」は玉を貫く紐で、その短さから短い時間をいう。二句の「玉」と同じ語を重ね、初句の「貫き」とともに縁語をなしている。
結句「逢はむと言はなん」は、逢おうと言ってほしい、の意で、「なん」は他に対する願望を表す終助詞である。
ぬきみだる:貫き乱る。緒が抜けて玉が乱れ散る
たまのを:玉の緒。玉を貫く紐。短い時間のたとえ
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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いかにしてしばし忘れん命だに あらば逢ふ夜のありもこそすれ
- 次の歌
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岩の上に生ふる小松も引きつれど なほねがたきは君にぞありける