岩の上に生ふる小松も引きつれど
なほねがたきは君にぞありける
- 歌の意味
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岩の上に生えている小松でさえ引き抜いたけれど、それにもまして根が固く引きがたく、共寝しがたいのは、あなたであったよ。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌一 648
詞書は前の歌に続き「題しらず」
岩の上に生える小松さえ引き抜いたのに、なお「ね」がたいのはあなたであったと詠む歌である。「ね」に小松の「根」と共に「寝」る意を掛け、岩に根を張った小松よりも、なびかない相手の方がはるかに手ごわいと嘆いている。
初句「岩の上に」は、岩の上に、の意である。
二句「生ふる小松も」は、生えている小松も、の意で、岩に根を張った小松を、引き抜きにくいものとしていう。
三句「引きつれど」は、引き抜いたけれど、の意で、「つれ」は完了の助動詞「つ」の已然形、「ど」は逆接を表す。
四句「なほねがたきは」は、「ね」が小松の「根」と共に「寝」る意を掛ける掛詞である。根が固く引きがたい、の意と、共寝しがたい、の意を重ねている。
結句「君にぞありける」は、あなたであったよ、の意で、係助詞「ぞ」を受けて過去の助動詞「けり」の連体形「ける」で結ぶ係り結びである。
ね:小松の「根」と、共に「寝」る意を掛ける
こまつ:小松。小さな松
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
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貫き乱る涙の玉もとまるやと 玉の緒ばかり逢はむと言はなん
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七夕も逢ふ夜ありけり天の川 この渡りには渡る瀬もなし