月かへて君をば見むと言ひしかど
日だに隔てず恋しきものを
- 歌の意味
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月が改まったらあなたに逢おうと言ったけれども、一日さえ隔てずに、もう恋しくてならないのに。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌三 743
詞書「やむごとなき事によりて遠き所にまかりて、立たむ月ばかりになんまかり帰るべきと言ひてまかり下りて、道よりつかはしける」
月が改まったら逢おうと言ったが、一日も隔てずに恋しいのに、と詠んだ歌である。ひと月ほどで帰ると約束して旅立ったものの、別れたその日から恋しさに耐えられない思いを述べている。
詞書によれば、大切な用事のために遠い所へ行くことになり、来月ごろには帰るだろうと言って下っていった道中から送った歌である。
作者の「つらゆき」は紀貫之である。古今和歌集の撰者の一人で、土佐守などを務めた。『土佐日記』の作者としても知られ、三十六歌仙の一人である。
初句「月かへて」は、月が改まって、の意である。
二句「君をば見むと」は、あなたに逢おうと、の意である。
三句「言ひしかど」は、言ったけれども、の意である。
四句「日だに隔てず」は、一日さえ隔てずに、の意で、初句の「月」と「日」が対をなし、月単位の約束と一日も耐えられない恋しさを対比している。
結句「恋しきものを」は、恋しいのに、の意で、「ものを」は逆接を含む詠嘆を表す。
つきかふ:月が改まる
へだつ:間に時を置く
- 作者
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紀貫之
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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あな恋し行きてや見まし津の国の 今もありてふ浦の初島
- 次の歌
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伊勢の海に塩焼くあまの藤衣 なるとはすれど逢はぬ君かな