厭はるる身を憂はしみいつしかと
あすか川をも頼むべらなり
- 歌の意味
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嫌われているこの身をつらく思って、早く明日になってほしいと、「明日」の名を持つ飛鳥川までも頼みにしているようだ。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌三 751
詞書「題しらず」
嫌われる身をつらく思い、早く明日になれと、明日という名の飛鳥川まで頼みにしているようだ、と詠んだ歌である。今日は疎まれていても、明日になれば相手の心も変わるかもしれないと、すがるような思いを述べている。
前歌の第七百五十首に続き飛鳥川を詠んだ歌で、次歌の第七百五十二首は贈太政大臣の返しである。
作者の伊勢は、伊勢守藤原継蔭の娘で、宇多天皇の中宮温子に仕えた。三十六歌仙の一人で、小倉百人一首には「難波潟短き芦のふしの間も」の歌が採られている。
初句「厭はるる」は、嫌われている、の意である。
二句「身を憂はしみ」は、我が身をつらく思って、の意で、「み」は原因を表す接尾語である。
三句「いつしかと」は、早く、と待ち望む意である。
四句「あすか川をも」の「あすか」は、地名の飛鳥と「明日」を掛ける掛詞である。前歌の第七百五十首の三句「飛鳥川」に続き、同じ川を詠んでいる。
結句「頼むべらなり」は、頼みにしているようだ、の意で、「べらなり」は推量を表す。
いとふ:嫌う、避ける
あすか:地名の飛鳥の意と、「明日」の意を掛ける
- 作者
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伊勢
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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淵は瀬になりかはるてふ飛鳥川 渡り見てこそ知るべかりけれ
- 次の歌
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飛鳥川せきてとどむるものならば 淵瀬になると何か言はせん