常磐にとたのめしことはまつほどの
久しかるべき名にこそありけれ
- 歌の意味
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いつまでも変わらないと約束して頼みにさせたことは、松のように久しく続くという名ばかりで、実は待つ時間が久しく続くという意味だったのだ。
- 鑑賞
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巻第十二 恋歌四 816
詞書「あひ語らひける人の久しう来ざりければ、つかはしける」
変わらないと約束したのは、待つ時間が久しいという名であったのだ、と詠んだ歌である。常緑の松にたとえた変わらぬ愛の約束が、実は待たされる時の長さを意味していたと、皮肉を込めて訴えている。
詞書によれば、親しく語り合っていた人が久しく来なかったので送った歌である。本巻の第八百七首、第八百六十四首も、松に「待つ」を掛けて待つ恋を詠んでいる。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。なお本文の作者表記は「よみ人も」とあり、よみ人しらずを示している。
初句「常磐にと」は、いつまでも変わらずに、と、の意で、約束の言葉を引いている。
二句「たのめしことは」は、頼みにさせたことは、の意で、「たのめ」は下二段活用で、あてにさせる意である。
三句「まつほどの」は、松のように、の意で、「まつ」に「松」と「待つ」を掛け、待つ間の、の意を重ねている。
四句「久しかるべき」は、久しく続くはずの、の意である。
結句「名にこそありけれ」は、名であったのだ、の意で、「こそ」は強めの係助詞で、已然形「けれ」で結ぶ係り結びとなっている。
ときは:永久に変わらないこと
たのむ:あてにさせる、約束して期待させる
まつ:「松」と「待つ」を掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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逢ふことのかたふたがりて君来ずは 思ふ心のたがふばかりぞ
- 次の歌
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濃さまさる涙の色もかひぞなき 見すべき人のこの世ならねば