住吉の岸に来寄する沖つ波
間なくかけても思ほゆるかな
- 歌の意味
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住吉の岸に寄せてくる沖の波が絶え間なく打ちかかるように、絶え間なく心にかけて、あなたのことが思われることだ。
- 鑑賞
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巻第十二 恋歌四 818
詞書「女のもとにつかはしける」
住吉の岸に寄せる沖の波のように、絶え間なく心にかけて思われる、と詠んだ歌である。岸に打ち寄せる波の絶え間なさに、相手を思い続ける心を重ねている。
詞書によれば、女のもとへ送った歌である。次歌の第八百十九首は伊勢による返しで、二首で贈答となっている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。なお本文の作者表記は「よみ人も」とあり、よみ人しらずを示している。
初句「住吉の」は、摂津の歌枕である住吉の、の意である。次歌の第八百十九首は「住の江の」と同じ地を詠んで応じている。
二句「岸に来寄する」は、岸に寄せてくる、の意である。
三句「沖つ波」は、沖の波の意で、「つ」は「の」の意の古い格助詞である。上の三句が「間なくかけて」を導く序詞となっている。
四句「間なくかけても」は、絶え間なく、の意で、「かけ」に波が「掛かる」意と、心に「かける」意を掛けている。
結句「思ほゆるかな」は、自然と思われることよ、の意で、「かな」は詠嘆を表す。
すみよし:摂津の歌枕、住吉の浜
おきつなみ:沖の波
かく:波が「掛かる」意と、心に「かける」意を掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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濃さまさる涙の色もかひぞなき 見すべき人のこの世ならねば
- 次の歌
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住の江の目に近からば岸にゐて 波の数をもよむべきものを