君見ずて幾世経ぬらん年月の
経るとともにも落つる涙か
- 歌の意味
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あなたに逢わないで、どれほど長い年月を過ごしたことだろう。年月が経つのとともに、こぼれ落ちる涙であることよ。
- 鑑賞
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巻第十二 恋歌四 847
詞書「年月を経て消息し侍りける人につかはしける」
あなたに逢わずにどれほどの年月を経ただろう、年月が経つとともに落ちる涙であることよ、と詠んだ歌である。逢えないまま重ねた長い歳月と、それとともに流れ続ける涙を重ねて嘆いている。
詞書によれば、何年もたってから便りをしてきた人に送った歌である。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「君見ずて」は、あなたに逢わないで、の意である。
二句「幾世経ぬらん」は、どれほど長い年月を過ごしたのだろう、の意で、「らん」は現在の推量を表す。ここで句切れとなる。
三句「年月の」は、年月が、の意である。
四句「経るとともにも」は、過ぎるとともに、の意で、「経る」に涙の「降る」意を響かせている。
結句「落つる涙か」は、こぼれ落ちる涙であることよ、の意で、「か」は詠嘆を表す。
いくよ:どれほど多くの年月
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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秋風の吹くにつけても訪はぬかな 荻の葉ならば音はしてまし
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なかなかに思ひかけては唐衣 身になれぬをぞうらむべらなる