あしひきの山下繁く行く水の
流れてかくし訪はばたのまむ
- 歌の意味
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山の麓を絶え間なく流れて行く水のように、末長くこのように便りをくださるのなら、あなたを頼みにしよう。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌五 935
詞書「忍びたる女のもとに、消息つかはしたりければ」
山の麓を絶え間なく流れる水のように、末長くこのように訪ねてくれるならば頼みにしよう、と詠んだ歌である。絶えず流れる山の水に変わらぬ便りを重ね、末長く続くならば信じようと、条件をつけて相手の心を確かめている。
詞書によれば、男が忍んで通う女のもとへ便りを送ったので、女がそれに答えた歌である。上の句の山下の水は「流れて」を導く序となっている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「あしひきの」は、「山」にかかる枕詞である。
二句「山下繁く」は、山の麓を絶え間なく、の意である。
三句「行く水の」は、流れて行く水のように、の意で、ここまでが四句の「流れて」を導く序詞となっている。
四句「流れてかくし」は、時が流れても、このように、の意で、水が「流れ」ることと月日の経過を重ねている。「し」は強めの副助詞である。
結句「訪はばたのまむ」は、訪ねてくれるならば頼みにしよう、の意で、「む」は意志の助動詞である。
やました:山の麓
しげし:絶え間ない、しきりである
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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人をのみ恨むるよりは心から これ忌まざりし罪と思はむ
- 次の歌
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わび果つる時さへものの悲しきは いづこを忍ぶ心なるらん