人言の頼みがたさは難波なる
葦の裏葉のうらみつべしな
- 歌の意味
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人の言葉の頼みがたさを思うと、難波の葦の葉が風に裏を見せるように、きっと恨んでしまうに違いないことだ。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌五 943
詞書「忍びたる人に」
人の言葉の頼みがたさは、難波の葦の葉が裏を見せるように、きっと恨んでしまうだろう、と詠んだ歌である。風に吹かれて裏を見せる葦の葉に、頼みにならない相手を恨む心を重ねている。
詞書によれば、人目を忍ぶ恋の相手に送った歌である。前の第九百四十一首に続き難波の浦を詠み込んでおり、難波の葦は第九百六十首の「難波なる」とも響き合っている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「人言の」は、あの人の言葉の、の意である。
二句「頼みがたさは」は、頼みにしにくいことは、の意である。
三句「難波なる」は、難波にある、の意で、四句の「葦」にかかっている。難波は葦の名所である。
四句「葦の裏葉の」は、葦の葉の裏の、の意で、葉が裏返ることから結句の「うらみ」を導いている。
結句「うらみつべしな」は、きっと恨んでしまうに違いない、の意で、「うらみ」に「裏見」と「恨み」を掛けている。「つべし」は確信を込めた推量、「な」は詠嘆の終助詞である。
うらば:草木の葉の裏
うらむ:葉の「裏見」と、「恨む」を掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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ながめつつ人待つ宵の呼子鳥 いづ方へとか行き帰るらむ
- 次の歌
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人はかる心の隈はきたなくて 清き渚をいかで過ぎけん