笛竹の本のふるねは変はるとも
おのがよよにはならずもあらなん
- 歌の意味
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笛竹の根もとの古い根、昔の音色は変わろうとも、それぞれが別々の世を送ることにはならないでほしい。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌五 954
詞書「高明朝臣に笛を贈るとて」
笛竹の本の古い根や昔の音色は変わっても、それぞれ別々の世を送ることにはならないでほしい、と詠んだ歌である。贈る笛に寄せて、二人の古い縁が変わることがあっても、離れ離れの身にはならないでいたいと願っている。
詞書によれば、源高明に笛を贈る際に添えた歌である。高明は醍醐天皇の皇子で、臣籍に下って源の姓を賜った人物である。笛の竹に関わる語を連ね、恋の縁を重ねている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「笛竹の」は、笛を作る竹の、の意で、贈る笛そのものを指している。
二句「本のふるねは」は、根もとの古い根は、の意で、「ふるね」に竹の「古根」と笛の「古音」を掛けている。
三句「変はるとも」は、変わろうとも、の意で、「とも」は逆接の仮定を表す接続助詞である。
四句「おのがよよには」は、それぞれ別々の世には、の意で、「よよ」に竹の「節々」と、それぞれの生涯の「世々」を掛けている。
結句「ならずもあらなん」は、ならないでほしい、の意で、「ならず」に笛が「鳴らず」の意を響かせている。「なん」は他に対する願望を表す終助詞「なむ」である。
ふえたけ:笛、また笛を作る竹
ふるね:竹の「古根」と、笛の「古音」を掛ける
よよ:竹の「節々」と、別々の生涯の「世々」を掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
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思ひわび君がつらきに立ち寄らば 雨も人目ももらさざらなん
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目も見えず涙の雨のしぐるれば 身のぬれぎぬは干るよしもなし