数ならぬ身はうき草となりななん
つれなき人に寄るべ知られじ
- 歌の意味
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取るに足らない我が身は、いっそつらい浮き草となってしまいたい。そうすれば、つれない人に身を寄せる所を知られることもないだろう。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌五 977
詞書「人に忘られて侍りける時」
取るに足らない我が身はいっそ浮き草となりたい、そうすればつれない人に寄る辺を知られまい、と詠んだ歌である。忘れられたつらさから、根を持たず漂う浮き草となって、冷たい相手の目の届かない所へ消えてしまいたいと願っている。
詞書によれば、人に忘れられた時に詠んだ歌である。初句二句の「数ならぬ身は」は、本巻の第九百六十六首と同じ句である。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「数ならぬ」は、取るに足らない、の意で、本巻の第九百六十六首と同じ初句である。
二句「身はうき草と」は、我が身は浮き草と、の意で、「うき」に水に「浮き」と、つらい意の「憂き」を掛けている。
三句「なりななん」は、なってしまいたい、の意で、「な」は完了の助動詞「ぬ」の未然形、「なん」は願望の終助詞「なむ」である。ここで句切れとなる。
四句「つれなき人に」は、冷淡な人に、の意である。
結句「寄るべ知られじ」は、身を寄せる所を知られまい、の意で、「じ」は打消しの推量を表す。浮き草に寄る辺がないことを重ねている。
うきくさ:水面に浮かぶ草。「浮き」と「憂き」を掛ける
よるべ:身を寄せる所、頼る所
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
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濡れつつもくると見えしは夏引きの 手引きに絶えぬ糸にやありけん
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夕闇は道も見えねど故郷は もと来し駒にまかせてぞ来る