守る人のあるとは聞けど逢坂の
関もとどめぬ我が涙かな
- 歌の意味
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関を守る人がいるとは聞いているが、その逢坂の関でさえもせき止めることのできない私の涙であることだ。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌五 984
詞書「返し」
関を守る人がいるとは聞いているが、逢坂の関でさえとどめられない私の涙であることだ、と詠んだ歌である。女のもとに新しい男がいるとは聞いていても、あふれる涙は止められないと、別れの悲しみを訴えている。
前歌の第九百八十三首への返歌で、逢坂の関をめぐる四首の贈答の結びである。前の歌々の関守を「守る人」と言い換え、関がせき止めるものであることから、涙をせき止められないと詠んで一連を閉じている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「守る人の」は、関を守る人が、の意で、前の歌々の「関守」を言い換えている。
二句「あるとは聞けど」は、いるとは聞くが、の意で、「ど」は逆接の接続助詞である。
三句「逢坂の」は、逢坂の、の意で、一連の四首に共通する語である。
四句「関もとどめぬ」は、関でさえとどめられない、の意で、関が通行をせき止めることに涙をせき止めることを重ねている。
結句「我が涙かな」は、私の涙であることだ、の意で、「かな」は詠嘆の終助詞である。
もる:見張る、番をする
とどむ:止める、引き止める
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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行き帰り来ても聞かなん逢坂の 関に替はれる人もありやと
- 次の歌
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葛城や久米路に渡す岩橋の なかなかにても帰りぬるかな