いかにして事語らはん郭公
なげきの下になけばかひなし
- 歌の意味
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どのようにして言葉を語り合えばよいのだろう、郭公よ。嘆きという木の下で鳴き、私も泣いているばかりでは、そのかいもない。
- 鑑賞
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巻第十四 恋歌六 1020
詞書「題しらず」
どうやって語り合えばよいのか、郭公よ、嘆きの木の下で鳴いてもかいがない、と詠んだ歌である。郭公に呼びかけ、嘆きながら泣くばかりでは、思いを語り合うこともできないと嘆いている。
郭公は和歌でしばしば人に語りかける鳥として詠まれる。本巻の第千六首では、一声鳴いて去る郭公がまれに訪れる男をたとえていたが、本歌では、嘆きの中で泣く自分の姿が郭公に重ねられている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「いかにして」は、どのようにして、の意である。
二句「事語らはん」は、言葉を語り合おうか、の意で、「ん」は意志の助動詞で、初句の「いかに」を受けて疑問の意を表す。ここで句切れとなる。
三句「郭公」は、郭公よ、と呼びかけている。本巻の第千六首の三句と同じである。
四句「なげきの下に」は、嘆きの下で、の意で、「なげき」に「嘆き」と、薪にする木の「投げ木」を掛け、木の下で鳴く郭公の姿としている。
結句「なけばかひなし」は、鳴いてもかいがない、の意で、「なけ」に郭公が「鳴け」と人が「泣け」を掛けている。
なげき:「嘆き」と、薪にする木の「投げ木」を掛ける
なく:郭公が鳴く意と、人が泣く意を掛ける
かたらふ:語り合う、親しく言葉を交わす
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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夏衣身にはなるともわがために 薄き心はかけずもあらなん
- 次の歌
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思ひつつ経にける年をしるべにて 馴れぬるものは心なりけり