夕されば思ひぞ繁き待つ人の
来むや来じやの定めなければ
- 歌の意味
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夕方になると物思いがしきりにつのる。待っている人が来るのか来ないのか、はっきりしないので。
- 鑑賞
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巻第十四 恋歌六 1062
詞書「頼めたりける人に」
夕方になると思いがつのる、待つ人が来るか来ないか定まらないので、と詠んだ歌である。来ると頼みにさせた人を夕暮れに待つ心の揺れを、来るのか来ないのかと繰り返して詠んでいる。
詞書によれば、来ると頼みにさせた人に送った歌である。本巻の第千五十五首も、来ると言いながら来なかった人を待つ歌である。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「夕されば」は、夕方になると、の意で、「さる」は時が移ってくる意である。
二句「思ひぞ繁き」は、物思いがしきりである、の意で、係助詞「ぞ」を受けて連体形「繁き」で結ぶ係り結びとなっている。ここで句切れとなる。
三句「待つ人の」は、待っている人が、の意である。
四句「来むや来じやの」は、来るのか来ないのかの、の意で、「む」と「じ」を対にして迷う心を表している。
結句「定めなければ」は、はっきりしないので、の意で、二句へ返る倒置となっている。
ゆふさる:夕方になる
さだめ:決まり、確かなこと
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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世の中のうきはなべてもなかりけり 頼む限りぞ怨みられける
- 次の歌
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厭はれて帰りこしぢの白山は 入らぬに迷ふものにぞありける