昼なれや見ぞまがへつる月影を
今日とや言はむ昨日とや言はん
- 歌の意味
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昼なのだろうか、と見間違えてしまった。この明るい月の光の夜を、今日と言おうか、昨日と言おうか。
- 鑑賞
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巻第十五 雑歌一 1100
詞書「月のおもしろかりけるを見て」
昼かと見間違えるほど明るい月の光を、今日と言おうか昨日と言おうか、と詠んだ歌である。夜更けても昼のように明るい月を前に、日の境さえわからなくなると、月の美しさを機知をもってたたえている。
詞書によれば、月が美しかったのを見て詠んだ歌である。古今和歌集の巻頭歌「年の内に春は来にけりひととせを去年とや言はん今年とや言はん」と同じく、二つの語を並べて決めかねる形をとっている。
作者の「みつね」は凡河内躬恒である。古今和歌集の撰者の一人で、三十六歌仙に数えられる。小倉百人一首には「心あてに折らばや折らむ初霜の」の歌が採られている。
初句「昼なれや」は、昼なのだろうか、の意で、「や」は疑問を表す。月の明るさを昼に見立てている。
二句「見ぞまがへつる」は、見間違えてしまった、の意で、「ぞ」は強意の係助詞で、連体形「つる」で結ぶ係り結びとなっている。ここで句切れとなる。
三句「月影を」は、月の光を、の意である。
四句「今日とや言はむ」は、今日と言おうか、の意で、「や」は疑問の係助詞である。
結句「昨日とや言はん」は、昨日と言おうか、の意で、四句と同じ形を重ねる対句となっている。夜更けの月の明るさに、日の境もわからなくなる思いを示している。
つきかげ:月の光
みまがふ:見間違える
- 作者
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凡河内躬恒
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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何せんにへたのみるめを思ひけん 沖つ玉藻をかづく身にして
- 次の歌
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くやしくぞ天つ乙女となりにける 雲路尋ぬる人もなき世に