露けくて我が衣手は濡れぬとも
折りてを行かん秋萩の花
- 歌の意味
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露がしとどに置いていて、私の袖は濡れてしまうとしても、折って持って行こう、秋萩の花を。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 182
詞書「題しらず」
萩に露がしとどに置いていて袖が濡れてしまっても、秋萩の花を折って持ち帰りたいと詠む歌である。袖が濡れることもいとわないほど、萩の花に心ひかれる思いを表している。
作者の「みつね」は凡河内躬恒である。古今和歌集の撰者の一人で、紀貫之と並び称された。三十六歌仙に数えられる。
初句「露けくて」は、露がしとどに置いていて、の意である。本歌から秋萩を詠む歌が続く。
二句「我が衣手は」は、私の袖は、の意である。
三句「濡れぬとも」は、濡れてしまうとしても、の意で、「とも」は逆接の仮定条件を表す。
四句「折りてを行かん」は、折って持って行こう、の意で、「を」は強意の間投助詞、「ん」は意志の助動詞である。
結句「秋萩の花」は体言止めで、倒置によって折る対象を最後に示す。次歌の第百八十三首は、同じ秋萩に露が折れんばかりに置くと詠み、人が折る萩と露に折られそうな萩とで対をなしている。
ころもで:袖。衣手
あきはぎ:秋に花を咲かせる萩。秋萩
- 作者
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凡河内躬恒
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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契りけん程や過ぎぬる秋の野に 人まつ虫の声の絶えせぬ
- 次の歌
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うつろはむことだに惜しき秋萩を 折れぬばかりも置ける露かな